【PRATER対談】VRにおける美容師の教育・iiiが目指す未来【後編】

宇宙へ…これからの壮大な夢

竹内
おそらくピラミッド状になっていて、先輩後輩の上下関係も強いのが、これまでの美容業界でした。そんななかで、寺村さんの築く仲間との関係性が非常に自由で、下の世代もドンドンと上へいけるような、垣根なく共有していける。美容の技術だけでなく、色んな可能性を皆で模索しながらwin-winの関係になっていく組織・チーム、価値観を美容師の輪として拡げている。その輪の中に入りたいと思う学生や、若く活躍している美容師さんが興味を持って寺村さんを訪ねていく。そうして今、チーム寺村、株式会社iiiへ魅力を感じる美容師さんが増えている要因かな、と改めて感じました。
ここまで30歳まで飛ばしてきた寺村さんの美容師ライフ、今後のビジョンとして実現したいこと、こんな方向性でいく、というような想いをお聞かせください。
寺村

僕の将来の夢は、宇宙で初めて髪を切る美容師になることです。

竹内
凄いですね!それは、何歳くらいで叶えていきたいのでしょうか?
寺村
40代で実現したいなと思っています。僕が40代くらいだと、たぶん民間で宇宙へ行くことはまだ難しいと思うので、研究対象や大きなところに支援してもらって行くしかないと考えていて。30代は、そういうのに選ばれる人間になろうと思っていて、だから人のために動こう。それが僕の最終目標で、目標達成して宇宙へ行って死んじゃってもいいなと思っています。そうなるとお金を残しても仕方ないし、美容業界領域だけだとあと十数年で(ZOZOTOWN創業者の)前澤さんみたいに何十憶で宇宙へ行けるだけの規模感にはなれないと思うので。そうなると、沢山の人たちに応援してもらって「宇宙に行かせるなら、寺村優太でしょ!」って思われる人間でいたいなと思っています。
それまでに沢山の目標はありますが、最近、色んなことを実現してきたことによって、ありがたいのですがアンチが減っちゃったんですよ。笑われなくなったんですよ、夢が。昔、僕が美容学生になる前の高校生だった頃、群馬の田舎者が「カリスマ美容師になりたい!」って言ったときには、皆に笑われたというか「何言ってんだ、こいつ。」みたいな顔をされたんです。まだアシスタントの頃も、SNSが出始めて「絶対SNSでお客様が来る時代になるから、SNSやりましょうよ!」って店に言っていたけど、皆は「何言ってんの?SNSって趣味の延長線上みたいなものでしょ?」って、そのときも凄く変な顔をされたんですけど、今やろうとしていることを言っても変な顔をされなくなっちゃって。それを「あ、ヤバイ。俺、スケール小っちゃくなっちゃってんな。」って思ったんですよね。自分ができそうな範囲のことしか、今、言ってないのかもしれない、それじゃあダメだなと思って。田舎の無名な高校生が、東京でカリスマ美容師になるって言うくらい、周りから「難しいだろうな、それは。」って言われるぐらいの夢を掲げようと思って、何が本当にやりたいんだ、何をやって死ねたら本望かなって考えたときに、宇宙で髪を切りたいな、と。
宇宙空間で髪を切るって、大学の教授・そういう専門家の方にお会いする機会が増えたんですが、その先生たちも「確かに、宇宙で髪を切っている・髪を染めている映像も映画もアニメもないね。」って言っていたんですよ。そういう想像を、どこのクリエイターもやっていないから分からない。でも、宇宙で生活していることが当たり前の宇宙映画ってあるじゃないですか。地球が滅んで何白年、宇宙空間で生きていますっていうような。その宇宙空間の人たちって皆、髪染まっているんです。髪の毛も切られている。でも、その処理をしている映像はなくて。だから、もし僕が宇宙に行って、宇宙で髪を切ったり、宇宙で髪を染めようとしたけど浸透圧がなくて薬がのらないとか、その映像を撮って地球の人たちに観せることで、大人はエンタメとして笑って観るかもしれないけど、危機感を持っている若い層が「ヤバイ。もし俺らの世代が宇宙で生活しなくちゃいけなくなったときに、オシャレできないじゃん!」って、更に危機感を持ってくれた子たちが増えて、その子たちが次の世代に引き継いでいけたら、僕はやり残したことないなって思います。
竹内
壮大な夢をお聞かせいただきました。その手前の、寺村さんが描く30代のビジョンについても教えてください。
寺村
日本人口が、どうしても減っているじゃないですか。でも、美容師の数は増えていて、日本人の平均所得額も減っていく流れのなか、このままいくと美容師さんの売上も給料も減ると思うんですよ。美容師をやりたくても続けられない人が増えると思うので、株式会社iiiとしてやろうとしているのは、美容師が髪を切る以外でもお金を稼ぐ、他業界から収入を得られる仕組みを構築しようと考えています。
教育の部分ですと、離職率で言うと3年以内に70%が美容師を辞めちゃっているのが現状。間違いなく教育に沢山の問題や課題があって、解決しなければならないところがあると思っています。国家試験も70年変わっていないので、今、自民党の国会議員さんに相談して法改正に向けて、実は動いています。国家試験の法律を変えようとすると数年単位かかってしまう。そこに本当に注力してやっても、5年くらいかかってしまうだろうなと思っているので、そこまで変えられたらいいなと思っています。

具体的にどう変えるかというと、国家試験の内容をガラッと変えるのではなくて、オリンピックみたいに何年に1度、国家試験を見直しして何を今の学生さんに勉強させるべきなのかを話し合う委員会みたいなものをつくって、そこで話し合って決めていくことで「国家試験を決める美容師になりたい!」って、考える美容師さんがでてくるじゃないですか。そういう人やサロンオーナーさんとかが、そこに関わりたいとロビー活動をしてくれて、美容業界が政治へ目を向けることで、政治家も動くようになると思うんですよね。そうすると、業界も良くなるんじゃないかなと思うので、そういった活動をしようと考えています。
竹内
寺村さんの構想は、自社である株式会社iiiとしての活動の先に、美容業界全体、美容師さんをより幸せにできる大きなビジョンへも繋がっているのですね。美容業界においても、VRを中心にデジタル要素を追求している。寺村さんはデジタルでのイノベーションを追求しながら事業を行っている一方で、美容師のリアルな繋がりとのバランス、要はデジタルとリアルのバランスが非常にとれている経営者だと感じました。
2021年に向けて、美容業界、若い美容師さんに対してのメッセージを一言いただけますでしょうか。
寺村
2020年は、コロナの年だったと思います。色々と先行きも分からず、不安な方も多かったかと思いますが、この1年で分かったのはチャレンジし続けている人、動き続けている人が結果も出して活躍しているので、自分が信じたことを信じてやり続けていけば、必ず輝かしい未来が待っていると思うので、皆さんもぜひ頑張ってください。
竹内
寺村さんへの質問等ございましたら、PRATERもしくは寺村さんへメッセージ・DMをお送りください。本日はありがとうございました。

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