【PRATER対談】フランチャイズ経営の先、未来とは

FCからその先へ

鈴木
はい。FCオーナーが誕生するときに、ひとりでオーナーになることはなくって、同期がいる状態で皆さんFCオーナーになるので、自然と競い合うような風土にはなっています。90店舗を経営するFCオーナーも、店長やマネージャーの頃からの同期ですし、やっぱり自分がどれだけ出店しても彼の方が先を行っていたりすると、当然もっと頑張らなきゃと頑張る気持ちもありますし、自分は凄くやりきった!というときにも全然追いつかなかったら嫉妬心とかも生まれますし。でも、それが全部プラスに向いているので、強い同級生・強い同期がいることで、もし結果が出ていない同期がいるのであれば支えていく、それも風土だと思っているので。そこは良いかたちにしか動いてないかなと今、思っています。
竹内
FCオーナーもひとりで進めていくというよりは、同期生のように複数同時にFCオーナーとして競い合える関係を制度・戦略のなかで取り入れて、ライバルという存在がいることでの相乗効果も追い風となり成長を促進させているということですね。
鈴木
はい、競い合って大きくなってきていると思います。
竹内
やはりライバルの関係性っていうのが相談もし合えるし、お互いに嫉妬もするし、より向上心が高まり、ライバルという存在がいることで支え合い、時にはぶつかり合える。その関係性・風土こそ、AguグループのFCオーナーが数多くの店舗展開・継続的な成長を遂げる理由かなと感じました。ちなみに、AguやBELLTREEにおけるスタッフの男女比は、どのような状況でしょうか?
鈴木
今は6:4だと思います。FCの色によっても違ってきますが、5:5くらいの会社もあるかなと思いますし。私のBELLTREEに関しては、男性6、女性4という感じですね。
竹内
6:4で男性が多いとのことですが、男性が多い理由は何でしょうか?
鈴木
やっぱり、FCが毎年生まれているということは、将来、独立したいっていう人の魅力っていいますか、上が詰まるというのは一切ないので、その点でも入りやすいんじゃないかなと思います。何が失敗か定義付けは難しいですが、全然うまくいっていないFCオーナーがいるかというと、そんなこともないので、独立を目指している男性からすると魅力を感じていただいているのかなと思います。
竹内
もう少し掘り下げてお聞きしたいと思います。美容師をしながら経営者も目指したいという男性美容師さんが多いということですが、FCを経営者の入口として捉えAguへジョインされる方が多いのでしょうか?
鈴木
そうですね。あと、通常、FC化っていうのは出口になっている企業が多いように感じていて、別にそれが間違っているとは思わないんですけども、Aguグループの場合は会社が成長して、しっかりと価値のある会社をつくったら、本部に買い取ってもらえるイグジットのシステムもあるので、入口がFCで出口が社内でのイグジット、内製化っていうのが凄く魅力なのかなと、私自身も組織に属していて価値のある会社をつくって、そして上場ではなく本部へイグジットできるっていうのは、かなりのモチベーションになると思いますし。その金額っていうのは、美容師が一生で稼ぎ出すにはなかなか難しいものだと思うので、まあモチベーションになると感じます。
竹内
まず、Aguグループへ入られるときに、経営者になりたいという想いもありジョインされて、自分がFCオーナーになって店舗を数多く展開した後、その店舗を本部へ買い取ってもらうシステムが確立されていて、その事例も既にいくつかあるということでしょうか?
鈴木
はい。今、3社がそういう状態で、内製化してイグジットしています。なので、ビックマネーを掴んでいるオーナーもいれば、単純にFCの会社として役員報酬が高い人もいますし、色んな方法があるからこそFC化してもゴールという感じではないです。その先を見ている感じです。
竹内
現在、Aguグループだとスタッフ皆さんの数は大体何人くらいのでしょうか?
鈴木
2,700人くらいです、大体。
竹内
ということは、2,700人のなかでFCオーナーになること、ビックマネーを掴むことを目標に、Aguドリームというような多くの人の目指す先となっているイメージでしょうか?
鈴木
はい。正直、経営者になっていないとイグジットとかって、人によっては「社長が会社を身売りした」と受け取る方もいるかもしれませんけど、そこに対しての理解が逆に美容師になかっただけだと僕は思っているので。経営者になってから、いつまで借入をしないといけないんだろう、店舗展開をし続けないといけないのか、逆に閉店していって店舗がなくなったらどうしよう、という不安が新たに生まれてきます。経営者になってからも、その先を描いてあげれているというのは、Aguグループとして凄い強みだと思っていて。あげれているって、僕がつくっている訳ではないので・・・むしろ僕が価値ある会社をつくったら、買っていただきたいと思っているくらいなので。そういうシステム・風土が本部にあるっていうことは、私自身のモチベーションにもなりますし、オーナーになりたての子、オーナー歴が長い人に対しても、いつまでもモチベーションが高い状態でいられるのかなと思います。
竹内
美容業界のなかでも、時代の変化を非常に感じます。昔の美容業界は、1店舗を出してスタッフを育てて、右腕となる二番手をつくったり、スタッフが集まってきたときに満を持して2店舗目へ・・・というイメージの業界だったと思いますが、若い美容師さんもゴールがだいぶ変わってきているのかなと思います。美容業界において、お店を売る、というバイアウトは以前まではどちらかというとマイナスのイメージで、経営が経ちいかなくなって売らなきゃいけない、というイメージがあったと思いますが、今の美容業界ではバイアウトはカッコイイ印象ですし、価値をお金に換算するプラスの、できる経営者イメージがあり、その点でも大きな違いがあります。美容業界のみならず、世の中的にもバイアウトできる経営者は、憧れの経営者というように称される印象へ変わってきていると感じます。それを美容師も実現できるし、実例もAguグループにはあるからこそ、そういった経営者になりたい美容師さんがAguグループの大所帯のなかに何人もいらっしゃいます。Aguグループに入ってからの経営者としての夢、美容師として働きながらも経営者としての夢を追えるようなステージがあることが、Aguグループ・BELLTREEが継続的に成長し続け、FCオーナーも抜けずに更に拡げていく、そんな未来へ突き進み続ける要因だと改めて感じました。
次に、Aguグループ・BELLTREEのマーケティングに関して、何か取り組みがございましたら教えていただけますでしょうか?
鈴木
はい。これは私の会社に限らず、特徴として店長やマネージャーが物件を持ってくるパターンが凄く多いです。地元に錦を飾る、といいますか、誰も知らないローカルエリアも、そこで育った人間だからこそ良さを分かっていたり道路等の認識度の高さがあったり、正直、不動産の会社さんよりも強いと思っていて。そういう人間が、ここへ出店してほしい、内装のデザインも自分に任せてほしい、と・・・そんなプチ独立ですよね。そういう感じで物件を持ってきてくれるので、そんなにオーナーが血眼になって探さなくても、モチベーションの高い人間が自然と勝率の高い物件を持ってくるというのがマーケティングになっていると思います。
竹内
もう任せる、という委任をしっかりとされていて、実際に現場で働く店長へ裁量を与えてモチベーションを高めながら、マーケティングへも活かしているということですね。また、Aguグループ・BELLTREEの成長の背景に、鈴木さんとスタッフの関係において意識されていること、例えば、仕組みもありつつ深い関係性を保つために工夫されていることがあればお聞かせください。
鈴木
Aguグループでは、最近、取材していただくなかでもシステムについてフォーカスされていますが、実際はとてもウェットな関係性で、家族経営に近いような感じなんですよね。やっぱり、システムだけが先行していて、会社をつくって売上があがり、利益が出たら売却できるから・・・が目的になってしまうと、そこに所属している人たちっていうのは、ただ単に社長がバイアウトしたときの、お金を得るためだけの駒になってしまうと思うんですけど。僕らって、そういうことは考えていなくて、ストーリー性を大事にしているとは思います。あくまでも美容師のため、そこで働いている美容師や、いつかこんな店を出したいと思っている店長・マネージャーのために、社長が投資して店舗をつくっていっているという意識が強いですし、最初にお伝えした組織のなかで役職が意味を成さなくなってきているのは、やりたくない人が給料をあげるために店長やマネージャーになる必要は、この先、一切ないと思うからなんですね。ただ、店長やマネージャーを経験することによって、人の上に立つ喜びや苦しさとかをちゃんと分かっている人、人を使える人じゃなくて、人の上に立つ喜びと苦しみを知っている人にだけFCオーナーになってほしいと思っています。カットなどの技術教育はOJTで現場にて落とし込むようにしていますが、教育に力を入れている企業としてAguは考えているので、美容業界をより良くするリーダーを多く輩出したいなとは思っています。

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