【PRATER対談】髪質改善・縮毛矯正を極めるオンラインサロン

こんばんは、PRATER監修・マーケティングコンサルタントの竹内です。本日のゲストは、大阪西梅田の美容室Lyrae(リラエ)代表の上原聡良さんをお迎えして進めていきます。上原さん、よろしくお願いいたします。

※こちらの記事はstand.fmで配信中の「PRATER radio」を加筆修正してお送りしています。

デザインの選択肢を増やすための“髪質改善”

竹内
まず、上原さんのプロフィールを簡単にご紹介します。上原さんは大阪難波のグラムール美容専門学校を卒業後、marl.で勤務。そこでジェネラルマネージャー的なお仕事を長年務められ、その後、西梅田にLyraeをオープンされて、現在3年目となります。現在33歳、非常に若い美容室経営者です。
美容業界における大きなトレンドのひとつに「髪質改善」があり、ホットペッパービューティーなど様々な広告媒体でも検索ワードとして最上位に挙がるキーワードです。Lyraeでは髪質改善に特化していて専門のオンラインサロンも運営されています。髪質改善メニューとして近い縮毛矯正について、髪質改善=縮毛矯正なのかどうか、最初にご意見をお聞かせください。
上原
そうですね、使うものは違ったとしても「キレイになりたい」や「悩みを解消したい」という想いに応える点では髪質改善=縮毛矯正であって。メニューや使うものなど途中経過は違いますが最終的に目指すゴール、お客様の心の憂いをとることに関して髪質改善=縮毛矯正だと思います。
縮毛矯正自体はクセのお悩み、うねりやパサつき、次の日からのスタイリングをやりやすくするもので、ただのツールというか、ひとつの経過であって求めるデザイン的にデザインをつくるものですが、髪質改善は正直、ただの言葉であって、一番の髪質改善は自分の髪の毛を知ってくれている美容師さんと出会うことだと思います。そのなかで、トリートメントの上位版だという認識が今は多いと思うのですが、クライアントが許せるダメージなのか、許せないダメージなのかどうか、その向き合い方だと思うんです。
トリートメントの上位版となってきたときに、最近は酸熱トリートメントやケラチントリートメントなど名前はドンドンでてくると思いますが、最終的には「キレイになりたい」「ヘアセットをやりやすくしたい」「ダメージからくる広がりを抑えたい」というクライアントの想いになると思っています。トリートメントとしての立ち位置がズレてくるパターンも、今、業界では「髪質改善」という言葉が一人歩きしてしまって認識としては色々ありますが、髪質改善はトリートメント、縮毛矯正はパーマ剤を用いて形状を変える最終的な見た目の艶感・・・「キレイになりたい」「ヘアセットをやりやすくしたい」「ダメージからくる広がりを抑えたい」という点ではイコールかなと、現状では思っています。
竹内
実際に上原さんが縮毛矯正、髪質改善に対して力を入れ始めたのは何年前からでしょうか?
上原
おそらく8・9年前くらいだったかと思います。まずブリーチ毛や白髪染めを繰り返されている方、ハイライトを入れているお客様などへクセのお悩みを聞いたときに、「もっとやりやすくしたい」「デザインを楽しみたい」という想いに対して、ブリーチ・ハイライトと縮毛矯正の両立が当時は無理だって言われていたんですけど、無理だとなるとお客様の悲しみや憂いが解消されないですし、もっとデザインを楽しんでほしい。尚且つ、美容師さんが無理だって言ってしまうことに対して、メニュー比率が下がってしまうことになってしまうと思うので、不可能を可能にしてあげたかったという想いがありました。既存の薬剤や手法ではお客様の悩みなどを解決できないことに自分自身が凄く悔しい想いもしたので、そのお客様を救いたいという気持ちで始めたのがちょうど10年弱前ですね。自分の失敗というか自分の悔しさから始めて、お客様の悲しみを背負ったときに、それを一生背負うつもりでやり始めたのがきっかけですかね。髪質改善という言葉はなかったんですけど、お客様の選択肢を増やすために「ブリーチのハイライトも入れたい」、尚且つ「縮毛矯正・クセを抑えたい」というデザインの選択肢をお客様にも選ばせてあげたいですし、僕たちもデザイナーなので、自分のデザインを売るためにも不可能を可能にしたかったのが自分の始まりかなと思います。

くせ毛の味方「クセミカオンラインサロン」

竹内
上原さんは現在、くせ毛の味方、クセミカオンラインサロンを運営・展開されています。今、どのくらい会員はいらっしゃるのでしょうか?
上原
今のところ160名前後やと思います。
竹内
会員費、会員の男女比なども教えていただけますでしょうか?
上原
もともと始めたのが女性向けのオンラインサロンだったので、女性比率の方が多いかなとは思います。25歳をボーダーラインに、25歳以上か25歳以下、そして女性かどうかで値段を分けているんですけど基本料金は月額1万円で、それ以下になってくるとアシスタントや25歳以下の女性ですと月額5千円ほどかな感じで。1期と2期で、今は2期が始まっているので、1期のときよりは少し値上げさせてもらった形です。
竹内

クセミカオンラインサロンは、なぜ女性向けに始められたのでしょうか?

上原
ケミカルを知らないとできない技術だと思われがちだったので、難しい・最難関であるような技術メニューのひとつとされるものを、もっとデザインをつくるために、女性が活躍していく場をつくりたかったことと、縮毛矯正のマニュアルって業界で正直あまりなかったので、正しい普遍的なもの・自分たちが一生つかえる技術として学んでほしいという想いがあったので、男性陣というよりは女性・ジュニアスタイリスト・アシスタントへフォーカスしたのは、その人たちを伸ばすことが自分たちの使命・役目だなと思ったので始めました。
竹内
クセミカオンラインサロンの中身、としては実際にどのようなことをされていらっしゃるのでしょうか?
上原
まずは基礎動作からなんですけど、基礎の基礎から、イチからやっていきます。なので、美容学校を卒業したての人でも解りやすく、オーナーさんや熟練の人からしたら基礎の一番立ち返りなんですが、毛髪化学どうこう、髪の毛のことを知ろう、お客様の毛髪診断を知ろう、アイロンの入れ方などって学ぶ先輩たちによって教え方が違うと思うのでお店によって違ってしまう。薬剤が一緒でも仕上がりが違ってくるのがこの技術なので、そのなかでの技術統一や技術的に間違いないということを教えていくために、薬剤を売るとか、この薬剤が良いよ、だけではなく、自分たちが使っている薬剤でどこまで対応幅ができるのか、自分たちの技術を上げていくための技術指導が第一。そこから、なぜこの薬剤が良いのか、どんどんメーカーさんが新しい薬剤を出していったときに、自分たちで選択できる知識を持ってほしかったので、基礎知識もやっていっているので、かなりイチから、というよりゼロからという感じでやっていっています。
竹内
違った角度からも質問していきたいと思います。現在の美容業界で、髪質改善がここまでのムーブメントとなっている、その理由に関して上原さんはどのようにみていますか?
上原
そうですね、流行りもののひとつなんでしょうけど、もともとデザインで売っていた美容師さんたちがレッドオーシャンになったんだろうなと思います。髪質改善っていうのは、正直、アシスタントとか仕組み化すれば結果がかなり出やすいメニューのひとつ。お客様の年齢層もターゲットとして絞らなくて良い点が強かったと思うんです。例えば、ハイライトとなると20代だったり、オフィスでは浮かないようにデザインの幅が狭くなるので、かなりペルソナが狭い範囲でいけるのですが、地域性やアシスタントを使ってドンドンまわすというよりかは、ひとりひとりとの関係性を築く風潮が増えたかなと思うので、それで時間単価やひとり頭の生産性を上げながらやっていって、デザインではなく素材美を追求したことから始まったのと、男性美容師さんの寿命を延ばすためと思っています。やっぱり男性美容師さんはトレンドを追いかけていくとなると、40代50代で20代半ばや30代前半の一番旬な美容師さんたちと同じ立ち位置で戦えるかというと、なかなか難しい面が出てくると思うので、年齢を重ねても現役でいたいという美容師さんが、お客様との関係を長く続けるためにデザインではなく素材美、変えれない、お客様がずっと求めていること、クライアントと長い付き合いをしていくための技術メニューのツールとして・・・僕のなかでは流行りものではないと思うんですけど、今、流行りもののような感じがあるので本質を追いかける人と、なかなか解っていない人とで今後は二分されるなと思います。

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