【イチゴのご縁】美容室の感動実話「一期一会」

こんにちは、Y’s hair GROUP(ワイズヘアグループ)を運営するZIMA ENTERPRISE 代表取締役 CEOの和田島靖史です。

以前、ある美容業界の先輩のサロンでの出来事です。とても感動したので皆さんともシェアしたいと思います。以下、物語風にお話を進めますね。

イチゴを忘れたレセプショニスト

あるとき、常連のお客様がお買い物の帰りにサロンにご来店くださいました。その時受付にて、

お客様
これ、傷むといけないから涼しいところで預かってください。

と、沢山のイチゴをお預かりしたそうです。その対応した女性受付スタッフ(レセプショニスト)は気を利かせて、スタッフルームの冷蔵庫で保管しました。

施術が終わり、会計を済ませてお客様はお帰りになりました。しかしこの時、その対応したレセプショニストは冷蔵庫にお預かりしていたイチゴのことをすっかり忘れてしまっていたのです。

心優しいお客様

渡しそびれてしまったことに気付いたのは終業後でした。あわててそのお客様にお電話を差し上げました。

レセプショニスト
大変申し訳ありません! 今すぐお届けに上がります!

そう謝るスタッフにお客様は、

お客様
私もうっかり忘れていたわ。でもお家は遠いし、夜も遅いから。そのイチゴ、みなさんに差し上げます。どうぞ食べてください。

怒ることもせず、そうおっしゃったそうです。何とも心優しいお客様です。

そういうことならと、スタッフたちはイチゴを頂くことにしました。1口食べると、おいしい!! スタッフたちは喜びました。しかし、そのレセプショニストは何ともうかない表情です。とても食べる気にはなれません。なぜなら、自分のミスで招いたことだからです。

今できることを探して動き出す!

私たちに何かできることはないかしら……彼女はずっと考えていました。突然、

レセプショニスト
みんな!ちょっと待って。やっぱりこのイチゴは食べちゃダメ! これは本来お客様と、そのご家族のお口に入るべきものだったはず。このまま私達が食べちゃっていいのかしら!

と、そのスタッフは立ち上がって言いました。他のスタッフからはこんな言葉が出ました。

他のスタッフ
でもさ、このまま置いといても腐らすだけだし、ここはご厚意に甘えるべきなんじゃないかな。何かいいアイデアでもあるの?

一同沈黙……。皆、食べる手が止まり、考え込んでしまいました。

レセプショニスト
そうだ!私、いいこと思いつきました! 任せてください!

そう言ってそのレセプショニストは、残りのイチゴを自宅に持って帰りました。

待ちわびたお客様のご来店

そして、数か月後、再びそのお客様がご来店されました。全員のスタッフからお詫びの言葉と、そしてお礼の言葉が伝えられました。施術が終わり、レセプションカウンターに立ったそのお客様に改めてレセプショニストから伝えました。

レセプショニスト
先日は大変申し訳ございませんでした。ご厚意に甘えさせて頂いたあのイチゴの味は忘れられません。

そして、小さな包みが渡されました。可愛くラッピングされた包みを開けると、そこには、かわいい小瓶にイチゴジャムが入っていました。

お客様
これって……もしかして!

お客様は、予期せぬサプライズのプレゼントにとても驚いていらっしゃいました。

レセプショニスト
お客様のご厚意の半分は、全員でおいしく頂きました。でも、もう半分はみんなで協力してジャムを作ったんです。どうぞ召し上がってください。

中には、みんなからのお礼の寄せ書きも入っていました。

お客様
まぁ! あなたたちって……

お客様はいたく感動して目を潤ませていらっしゃいます。

すごく喜んで下さったようです。またくるね! またくるね! ありがとう!! と、そう言いながらお客様はお帰りになりました。

今できることを探せ!

あの時、レセプショニストは半分残ったイチゴを使ってジャムを作ったのでした。ジャムなんか作ったこともないのに。お母さんに相談して、おばあちゃんにも相談して、ネットでも調べて、どうしたらおいしいジャムが作れるのか、今できる最高のことを全部して、みんなと協力して作り上げました。

小物屋さんに行って、かわいい小瓶を用意しました。あ! 包みはどうしよう……みんなとも相談しながら、ラッピングもキレイに施しました。そのジャムを作っているときのそのスタッフの気持ち……想像してみてください。

お客様、早く来ないかなー! と、きっとワクワクが止まらなかったはずです。そのお客様が喜ぶ顔が見たくて、どんなお顔をされるだろう、きっとびっくりされるだろうな……と、自然と顔がほころんでいたことでしょう。

これは今できることを探して、みんなで行動に移したことの結果ですね。

どんなマニュアル、ビジネス本よりも……

何かできることを探せと、今できることを精一杯にやったスタッフ。それを今か今かと待ち構える気持ち。そんな気持ちの持ちようはどんなビジネス書にも書いてありません。

顧客満足の方法、感動する接客話法、そんなハウツーでは決して測れないことでしょう。今の世の中は、ハウツーに汚染されすぎていて、こうした心の持ちようが薄れてしまっているように感じます。

サービスとディスカウントは違う

このご時世、誰でもできる安易なディスカウントでしかお客様を集客できなくなってしまっているのではないでしょうか。お客様に今できる最善のサービスを考え、それを行動に移せるかどうかの分かれ道は、組織としてその行動に「やってよし!」と許可を与えられる風土があるのかないのかだと思います。

逆に言えば、出過ぎたことをして目立ちたくない、叱られたくない、責任取りたくない、という自己防衛の思考回路が先に働けば、何も起きないでしょう。

お客様から、あなたに会いたい! あなたじゃなきゃ! そう思わせるだけの人間力を身に着けること。内部から湧き上がる情熱の温度は、仕組みでは湧き立たないでしょう。

 

いかにしてそんなスタッフを育てるか、どうしたらそんなスタッフが育つのか、難しいからこそ、挑戦すべき価値があることですね。

PRATER更新情報、その他お知らせをいち早く!
編集部へのお問い合わせもこちらから。

友だち追加

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

LINE登録

PRATER更新情報、その他お知らせをいち早く!編集部へのお問い合わせはこちらから。