ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その13」成果-2

こんにちは、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。

「成果」についての2回目になりますが、前回のおさらいは下記を参考に。

prater

こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。 今回からは、5つの質問の4つ目「われわれの成果は何か」に…

成果=売り上げ、利益 ×

成果=われわれの顧客が喜んでくれている、使命を果たせている○

そのためには 成果を測る「計器」→モニタリングすべき数字を明確にするというお話でした。今回は1つの実例を挙げてご紹介したいと思います。いつもより長い文章になってしまいますがご覧いただけたらと思います。

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伸び悩みの原因

ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その13」成果-2

売り上げが伸び悩んでいるスタッフをどうすれば良いか? これはよくある質問ですが、当人に売り上げをあげなさいと言えば言うほどその人の仕事は売り上げを上げることになり、興味の中心は「売り上げる方法」になっていきます。そうして、自分たちの使命や顧客の価値は自分の仕事とは関係のないものになっていってしまいます。

伸び悩みの社員が出てくる、意欲的に働く社員が少ない、能動性がないなどの問題の原因は本人たちの人間性や時代性などでなく、正しい事業設計がなされていないことが多くの要因になっているのです。

ここまでの内容を総動員していくとよくわかります。

質問-1の答え→われわれの使命は〜〜である

質問-2の答え→われわれの顧客は〜〜である

質問-3の答え→われわれの顧客が価値とするものは〜〜である

だから私たちのモニタリングすべき数字は〜〜である 質問-4

これが「成果」です。その数字がしっかりと出せていればおのずと売り上げは上がっていく、だからこの「成果」を上げるために、今あなたがすべきことは何か? に集中しなさい。こうして働く社員に使命を全うすることを、自分の仕事として浸透させなければいけないと思います。売り上げを上げるための行動を考えさせるのでなく、使命を果たすための行動を意識づけさせていく必要性があるのです。

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サービス業の本質

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まず多くのサロンに共通する、1番シンプルなモニタリングすべき計器はリピート率でしょう。これは何も美容室に限った話ではなく、サービス業であれば少なからず「リピート」は重要な基準であるはずです。

視点を明確にすると例えば、

  • Aさん 役職・店長 キャリア10年指名売り上げ100万
  • Bさん 役職・なし キャリア5年指名売り上げ60万

この2名がいるとします。どちらが高いお給料をもらっているでしょうか? と聞かれたら、、、まずAさんだと思いますよね。もちろんそうだと思います。

ではもう少し情報を補足してみましょう。

  • Aさん 新規リピート率20% 既存客リピート率90% 自力新規集客2名/
  • Bさん 新規リピート率65% 既存客リピート率90% 自力新規集客10名/

モニタリングする数字に「リピート」と「自力集客」を加えてみましたが、見え方が少し変わりませんか? それでもAさんの方が給料が高くて私は良いと思います。ただし、現時点では……という注釈を添えてです。

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能力とは?

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もし、これが給与体系として売り上げの10%が能力給とされていれば、単純計算で言えば、Aさんは10万、Bさんは6万となるわけです。もし、これでAさんに店長手当てが5万ついていたらAさん15万、Bさん6万となりますよね。これに基本給を20万とすると、Aさん35万、Bさん26万となります。

年齢やキャリアなども含めるといかにも妥当に見えてしまいますがこの約9万円の差は妥当なのでしょうか。そして、そもそも能力=売上でよいのでしょうか? 今までお話ししてきた内容を踏まえていうならば、能力=その会社にとって最も重要な能力=われわれのお客様を喜ばせている・われわれの使命を果たしているというところに結び付く必要性があるはずです。

つまりモニタリングする数字の変動が、能力給とリンクしてなければならないはずなのです。

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敬意は払うべきだが

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キャリアというのは軽視すべきではありません。その方の会社におけるキャリアはそのまま、その会社に貢献してきてくれた年月だとも言えます。その結果として役職があるのでしょうし、そこへの「敬意」は必要です。ですから、

積み上げてきた人=役職給=敬意 とします。そして、

今1番優秀な人=能力給=モニタリングすべき重要な数字の実績と捉えた場合はどうなるでしょうか。

例えば能力給は「リピート率による変動歩合にする」となるなら、この能力給に関してはAさんよりBさんが上回る報酬になるかもしれません。(ここは細かい整理が本当は必要です)

総合的な報酬はAさんが上でも、能力給の分野に関しては今現在成果をより上げている人が評価される→Bさんの方が報酬が高い。この方がよりフェアなのでは? と私は思います。

そしてそれはBさんに「あなたは使命を全うし、お客様にしっかり貢献できてますよ引き続き今おこなっている行動を継続し、頑張って売り上げを伸ばそう」という評価と自信を与えるとともに、Aさんには「今までの貢献には感謝しています、けれど現在使命を果たせているか、お客様を満足させれているか? については改善が必要ですね」という労いだけでない課題と学ぶべきことを与えてくれます。

それは経営者や上司の個人的な感情や思い入れでの給与査定ではなく、われわれのお客様の声を反映させた「成果指標」に基づいた正しい給与査定となるのではないでしょうか?

もちろんリピートだけではありません。

これは1つの例です。弊社ではもっと細かい成果指標がありますし、それは全てミッション・顧客に基づいた指標であり、社員にも1年目からその意味合いを数年かけて理解できる教育もしています。今回はリピート率に焦点を当てましたが、使命・顧客・価値のトライアングルによって成果は様々変わります。つまりその評価の仕方、給与体系の反映のさせ方もそれぞれの会社で事業設計として作るべきだと思います。

重要なのは何を行動し、どのように成果を果たせば会社では評価されるのか? を明確にし、その行動はわれわれの使命を全うし、われわれの顧客を喜ばせ、顧客が価値と思うものを提供できていることを表す成果とリンクしているか? また、それは報酬にもリンクしているか? ここまでを体系立てることだと思います。

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PRATER編集部です。 HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野さんがご執筆くださっている「事業設計」についての…

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