こんにちは、Y’s hair GROUP(ワイズヘアグループ)を運営するZIMA ENTERPRISE 代表取締役 CEOの和田島です。
今回は、MOT=真実の瞬間のお話です。
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MOTとは
MOTとは、マーケティング用語でMoment Of Truth (モーメント オブ トゥルース)の略です。直訳では「真実の瞬間」となりますが、マーケティングでは顧客が商品やサービスのクオリティーを審判する瞬間のことを指します。
わかりやすくイメージでお伝えすると、お客様はいつでもその手に「〇」と「×」のプラカードを持っていて、この商品は〇! とか、この接客は×! とか、その瞬間、瞬間に審判を下していらっしゃるという感じですかね。
みなさんもスーパーやブティックやレストランに行かれるでしょう。自分がお客さんになったときのことを考えてみればわかりやすいですね。あれはダメ、これはいいと、常に審判を下しているはずです。そして総合的判断で、また行きたいか、もう行かないかを決めていると思います。
我々のサロン運営において、この瞬間、瞬間に正しい判断と行動がどれだけできているのかと、今一度考えなおしてみる機会をくれるのがこのMOTです。
お客様にとっての真実
MOTを掘り下げて考えていきますと、マニュアル業務や通常のオペレーションでは見えてこないお客様にとっての真実が隠されています。もっと日常的なもっと小さいこと、例えばこれ言おうか、言うまいか、やろうか、やるまいか、そんなちょっとしたことが大きな感動レベルの接客やサービスにつながっていくのです。
お客様からクレームをいただいた! というのは問題が顕在化しており、それこそ大問題ですね。しかしMOTでは、お客様が心の中でまた来ようと思われたか、もう2度と来ないと思われたか、それを決定する瞬間が隠されています。普段、見落としてしまうような小さなモノ・コトの中にこそとても大事な要素が秘められてるのですね。
ファン客になってくださった瞬間なのか、何も告げず黙って去っていかれるのかでは大違いですね。そんな瞬間に思いをはせる、その時あなたは? それがMOTへの取り組みです。
サロンでのMOT実例
間違ったらどうしようと思えば、人は誰も黙るでしょう。怒られたらどうしようで、人は誰もやらないでしょう。そんな瞬間をわかりやすく実例を挙げて解説していきますね。
たとえば美容室で、1年生スタッフが「あ! あのお客様、襟が少し濡れてる……!」と、お客様の襟がシャンプーで濡れているのを発見したとします。
もう、会計をして帰るところです。「言おうか、言うまいか、どうしよう……先輩のお客様だし、私がシャンプーしたんじゃないけど……」「余計なこと言って、先輩に嫌われたらどうしよう……」。この一年生スタッフはいろんな思いで頭がぐるぐるすることでしょう。こんな場面、どこのサロンでもありますよね。
さぁ、あなたのサロンで働いているあのスタッフならどうするでしょう!? 想像してみてください。MOT=真実の瞬間です。手を出すか、口を出すか、知らんぷりをするか、選択肢はたくさんあります。ちょっと大げさかもしれませんがそのスタッフを見れば、それができるかできないかでこの店の将来は決まっていると思います。
クレームやサロンで起きたアクシデント、お客様のお洋服にカラーがついた、コーヒーをこぼしたなどという大ごとであるなら、サロン全員で対処できます。そんな大ごとではありませんが、ちょっと濡れた……そんな小さいことだからこそ、とても大切なことが隠されているのですね。
3つの人ザイ
人ザイには3つあります。人が宝の人財・適材適所の人材・いるだけで罪な人罪です。できる人財は、何も考えずにとっさに動いてお客様に声をかけ手を差し伸べるでしょう。
普通の人材は、「お客様の襟が!」と先輩に言うでしょう。罪な人罪は気づいていても、余計なことは言わないでおこうと知らんぷりするかもしれません。
どうですか? 考えていくと心配になってきますよね。私もこうして書いているだけで、ウチの店大丈夫かな!? と……。書くのをやめて現場に行って指導したい気分です(笑)
先輩がやっているとおりに部下は育つものです。部下は就業規則には従いません。社風に従うのです。就業規則には遅刻をしてよいとは書いてはいないでしょう。しかし、上司が遅刻をする事業所では、部下もそれに習い遅刻が増えます。そんな風土に従うのですね。
先ほどの事例ですと、こんな社員がいたらどうですか。「あ!お客様!!ちょっとお待ちください!!」と言うなり、ピューー!!といなくなったと思ったら、タオルとドライヤー持ってきて、一生懸命に乾かして差し上げようとする社員。そんな社員をいかに育てるか、そんな風土をいかに作り上げるかですね。
そうすればお客様も「まぁー!そこまでしてくれなくてもいいのよ、これくらい大丈夫だから。」と、優しくおっしゃってくださるかもしれません。
逆に、ご自宅に帰られて旦那様か誰かに、「おやっ!? お前、背中、濡れてるぞ!?」と教えられたときの気分はどうでしょう。気づいていたのに知らんぷりされたのかしら……、そんなふうに思われても仕方ありませんね。信頼していたのにととってもがっかりされるでしょう。
このようなケースバイケースの教育は、なかなか事前に準備することができないものです。しかしながら、あらゆる場面を想定して疑似体験をし、「その時あなたならどうする!?」という学習はできると思います。
MOTかるたの活用
弊社では写真のようなカードを使って、そのときあなたの対応は何がベストだと思うか、自由闊達(じゆうかったつ)に自分なりの考えを述べさせてグループ学習をしています。
どんな意見も否定せず、スタッフ同士でもっとこうしたらいいのではないかと深堀りをさせ、他人の価値観に触れながら自分の考え方を高め合っていきます。
そんな学習を通していざ! というとき、とっさの判断、その予備知識となることでお客様の満足度が上がるように教育しています。やり方は様々あると思いますが、サロンでどんな真実の瞬間があるのか、話し合うだけでもとても学びがあると思います。それらをまとめて文字に起こしてみるのもとても有意義です。MOT=真実の瞬間、その教育への取り組み、始めてみられてはいかがでしょうか。
多謝
【参考】
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