キャリア自己概念という考え方

キャリアコンサルタントの織井です。

キャリアコンサルタントはキャリア支援の専門家であり、国家資格でもあります。

私たちキャリアコンサルタントは半年以上かけてキャリアコンサルタントの資格を取得すべく、養成課程を納め、国家試験に挑みます。その間、キャリアに関するさまざまな勉強をするのですが、まず最初に勉強する学者がいます。それが「ドナルド・スーパー」です。スーパーはキャリアカウンセリングの祖といわれており、彼の数々の理論(世の中の法則性をまとめたもの)は近代職業心理学に大きな影響を与えています。スーパーは、1950年代以前、アメリカの空軍兵士を心理カウンセリングするカウンセラーでした。カウンセリングを通じ、空軍の仕事が続く人、続かない人がいることに気づきます。そこで彼はその人の持つ特性と環境の適合性をテーマに研究したといわれます。その特性こそ、今日ご紹介する「キャリア自己概念」なのです。

だれもがもつキャリア自己概念

ここからほんの少しだけ学術的な話となります。

スーパーの代表的な理論に「キャリア自己概念」というものがあります。

自己概念とは、簡単に言えば、その人の“こうありたい”、裏を解せば“こうあるべき”といわれます。それがさまざまな仕事(キャリア)の経験を通じて発達していくと考えたのです。この自己概念には主観的な自己概念と、客観的な自己概念があるといわれます。主観的自己概念は個人が主観的に形成してきたもの。客観的自己概念とは他者からの客観的なフィードバックにより形成されたものです。その2つの統合により、仕事においてこうありたい、のキャリア自己概念が形成されていくのです。

つまりあなたの上司や部下、同僚先輩、みんな経験から形成された特有のキャリア自己概念を持っているといえるのです。

 

厳しい先輩、コミュニケーションがとりにくいと感じる同僚、扱いにくいスタッフ、みんな固有のキャリア自己概念に基づいてその行動をしているのです。

 

一歩離れてその人のキャリア自己概念を観察してみよう

この人は苦手だと感じる前に、どんなキャリア自己概念をもっているのか、と、一歩ひいて興味深く観察してみるのです。すると、その人の“ありたい姿”が見えてくるはずです。さまざまな行動や発言に自己概念が見え隠れしているはずです。一歩離れて、その人のキャリア自己概念を観察してみてみましょう。すると、その人のキャリア自己概念がその人の今を作っていることに気づくでしょう。そんな視点で見てみると、時に「くすっ」と笑えるくらいその人がかわいく見えてきたりするかもしれませんね。

 

次回は、スーパーのキャリア自己概念をチームワークにどう活かすか?について考察していきます。

PRATER更新情報、その他お知らせをいち早く!
編集部へのお問い合わせもこちらから。

友だち追加

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

LINE登録

PRATER更新情報、その他お知らせをいち早く!編集部へのお問い合わせはこちらから。