こんにちは、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。
今シリーズは「幹部」「マネジメント」です。 経営者ではなく組織のマネージャーとしての活動をしている私としては、むしろこちらが「自分の領域」であったりします。
今日は第7回。今回も継続して「真摯さ」についてです。
早速始めていきましょう!
前回まで
マネジメントを担う者に必要なたった1つの資質が「真摯さ」。
それらを5つに焦点を絞ってご紹介しています。
1-自らの仕事、働き方に「高い基準」を設ける
2-自分だけでなく仲間にも高い要求を行う
3-誰が? ではなく 何が?で判断する
4-「聴く」ということを能力として捉える
5-使命に生きる
前回までで 1、2、3のお話をさせていただきましたので 今日は4についてのお話になりますね。
「聴く」ということを能力として捉える
ドラッカーの言葉の中でも出てくるのですが、「上司は部下の話をじっくり聴く時間を作ること」部下に対して誠実でありさえすれば部下は勝手に育つ、と言われています。 マネジメントの重要な責任の1つに「働く社員に成果をあげてもらう」もう少し直接的に言うなら「部下に成果をあげさせる」ことが上司の役目ということです。 話すこと、自論を展開することに長けている幹部やマネージャーはたくさんいます。話すのはうまい、雄弁であり、多くの知識を持っている。ところが「聴く力」に長けている人は実は多くはありません
人に話したい!語りたい!という人は世の中沢山いても、人の話をとことん聞きたいという人は意外にも少ないのです
腹を割って話すことは簡単ではない
今日は腹を割って話そう!、何でも意見を言ってくれ! そんなことを言っているのに、いざ始まったら出てくる意見をことごとく論破し、気がつくと自分の熱い独演会になる。正直 「上司あるある」だと思います。
私もよくそれで失敗をしてしまう時があります。 そんな状況を経験した部下は、ミーティングも面談も嫌になるに決まっています。多くの美容室の朝礼や終礼が盛り上がらない、喋っているは店長だけ、、、そうなっていないか? まずはチェックしてみてください。実際はスタッフの意欲の問題ではないことが多いです。そしてその対応策として「俺がいると話辛いだろうから席を外すわ」これも間違っていることに気づいてください。勿論あなたがその会議に必要がないほどに組織ができているなら構いません。しかし問題の多くはその手前、「人の話をじっくりと聴く」と言うスキルがあなた自身に備わっていないことが原因ならば それが治らなくては先に進めません。トレーニングしなくてはいけません
求められるのはボスではなくリーダー
「私の言う通りにやってくれ」→これは人を育てていません 指示命令をそつなくこなせる人を作るだけです。こう言う「ボス」タイプは自分に近い価値観の人間を評価しますから、部下は基本自分の少し劣化版です。ですからその部下が責任者になった時も同じことをするでしょう、そして能力としてはボスのちょっと下でしょうから、代替わり毎にチームの力は減退していくでしょう。
「あたなの考えを聞かせてほしい」→これが人を育てる正しい姿勢です 自分で考え・自分で動くことを相手に求める。そのためには自分にない強みを持った部下を歓迎し、成果を上げるために力を貸すこともあれば、逆に力を部下に貸してもらうこともいとわない姿勢が不可欠です。自分のいうことを聞かすことが目的でなく目指す成果に向けてチームの力を最大に発揮できる指揮をとる これがリーダーです。リーダーが優秀なチームは代替わり毎に更に良いチームが生まれていきます
うんざりする部下
せっかく部下が意見をしても、それを部下の未熟さを発見したと勘違いし、ここぞとばかりに自分がどれだけの考えを持っているか?をひけらかすような真摯さのない上司に部下はうんざりしています。もし意見が違うとしたらそれは間違っているのではなく相手が違う視点で見ているのでは?、違う情報を持っているのでは?と考えるべきです。事実部下の意見は自分の解釈を深めてくれたり、より良いアイディアを生むきっかけになってくれたりするものです。 聞くということはお互いの考えを明らかにするということ、より良いYESに近づくための必要なスキルだと思います。
多くの幹部の方は忙しいと思います。時間に追われる中で、部下の話を聴くことが重要なのはわかるんですが、、、 と私のクライアントサロンの幹部の方々の多くがおっしゃられます。その時の私がお伝えするようにしているのは「わかります、でもそこをしなければ 結局は後でより多くの時間を費やしてしまう問題が増えていくかもしれませんよ」とお伝えするようにしています。