【リアルドキュメント】感染者が出たら…そのときのサロンの対応は?〜後編〜

編集部より

こちらの記事は、1サロンさんの体験したドキュメントとなっておりますため、これが今の状況のすべてではありません。あらかじめご了承ください。

 

皆さま、前回の記事をご覧いただきありがとうございます。

Y’s hair GROUP(ワイズヘアグループ)を運営するZIMA ENTERPRISE 代表取締役 CEOの和田島靖史です。

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目次 0.0.1 編集部より1 まさか自分のお店で……2 即日自主的閉店3 スタッフのPCR検査4 スタッフのPCR検査…

昨日の記事が公開され、各方面からたくさんの応援やお見舞いのリアクションがありました。ありがとうございます。私は元気です!(笑)

今日は、後編として、その後の対策についてお話をします。

サロンの水際対策として

前回の記事でも書いたとおり、この非常事態を受けて、うちでは危機管理の常識が一気に覆されました。無症状の方であれば普通にご来店されます。現在も、お客様ご来店時に無接触で体温を測れる、「無接触瞬間サーモ」(と名付けました、ピッで測れる体温計)を全店導入し、お客様にご協力いただいて検温をしていますが、無症状であるならば意味を成しません。(お客様ご自身も、ご自分が感染されているのはわかりませんもんね)

また、ヒアリングをおこない、海外渡航歴や県外に行った履歴などをお伺いしているのですが、これもご本人は渡航歴がなかったとしても、例えば「昨日〇〇から息子が帰省しました」などのケースであれば誰も告知はしないでしょうし、そこまで突っ込んだ質問もできないのが実情でしょう。

つまりは、感染者されているかもしれないお客様がご来店される時はされるし、それは防ぎようがないことだと考えるべきでしょう。そうなると、いかに他のお客様と自分たちが感染しないように予防するかが重要である、という結論に至ります。私は専門家ではありませんが、ご来店時の検温、消毒の徹底、スタッフもお客様もマスク着用という予防措置は感染リスクをかなり軽減してくれる、と考えています。

非常時営業形態として事業継続

2020年4月7日、いよいよ政府より緊急事態宣言が出されました。政府見解では「安定的な生活を営む上で必要な事業」として制限の対象とはならないとの大臣による声明が出されました。それを受けて、事業を継続してゆく! という判断基準にされたオーナーさんも相当数いらっしゃったことでしょう。

この時点でうちの会社も、罹患者ご来店で自粛中の1店舗を除き、消毒等の対策を徹底して事業継続中です。ただし、「お客様の安心と安全のために非常時営業形態を発動中!」として、お客様に対しても様々な措置を講じています。ご協力を喚起するために、またビジュアル的に訴えるPOPも作成しました。

以下、箇条書きですがまとめたものを公表します。

ご予約について

  • 予約枠の調整
  • 出勤人員の調整(原則として、1つ飛ばしに椅子を設置して使用した場合の最大予約枠プラス1名で運営する)
  • お客様の来店時間をずらす(朝1番、午前9時にフロントが混雑することを避けるため、10分毎ずらして予約を取る等の対応)

お断りについて

  • 体温が37.5度以上の方
  • 2週間以内に海外渡航歴のある方
  • 2週間以内に県外へ行かれた方

お客様ご来店時・滞在時

  • ご協力を喚起するため、「非常時営業形態」であることをポスター等で告知
  • 非接触瞬間サーモで検温にご協力いただく(ピッとするだけで大丈夫です、などお声かけ徹底)
  • スタッフ主導でお客様の手指消毒を徹底(一緒にシュッシュしますね、などのお声かけ徹底)
  • マスクをされてないお客様に対しても、施術中にマスクの使用をお勧めする声かけをする(お客様のマスク使用は強制ではない)
  • シャンプー台の利用も1台ずつあける
  • 窓は常時開放、室温はエアコンで調整する
  • 膝掛けは間に使い捨てシート (不織布) をはさむ

クロスについて

  • 既存クロスの上に使い捨てを使用(カットなど、不織布のエプロンタイプ。シャンプーは、ビニールタイプのクロス)
  • 既存クロスの枚数を増やす
  • 使用後、全体に次亜塩素酸水のスプレーをして干す

ドリンクの提供について

  • 基本的に提供はなし
  • お客様自身にお飲み物のご持参をお勧めする

ドリンク提供する際は

  • 使い捨ての紙コップ、マドラーで提供
  • ストローは個別包装のものを使用
  • お弁当のおかず入れで飴などの提供をする
  • 放置タイムのあるメニューのみ提供をする

雑誌の提供について

  • 基本的に提供なし
  • ヘアカタログはタブレットにて対応

席・備品等の消毒

  • 施術終了時に、席、テーブル等を除菌スプレーを使って拭き取る
  • フェイスブラシの使用禁止、使い捨てコットンで代用

お客様の個人情報の取り扱い

  • 個人を特定するようなことを口外しない。○○さん来られましたよ、などの発言慎む

勤務中のスタッフが注意すること

  • 出勤時の検温(37.5度以上は出勤停止)
  • 常時マスク着用
  • 手洗いうがいを頻繁におこなう
  • 開閉できる窓、入り口ドアの開放、付随して貴重品を店に持ち込まないように自己管理
  • 嗅覚・味覚異常のある者は自宅待機→保健所相談
  • 椅子の間隔をあける。1つ飛ばしに使用する
  • 退店時に受付でお客様が重ならないようにする
  • 1人1台ワゴンを使用し、他スタッフと共用しない。箱の中にハサミなどを保管。各自の責任で使用後に消毒を徹底する
  • お客様ごとに道具をすべて消毒することを再度徹底
  • タオルは常に新品、使用済みのタオルをターバン使用を禁止
  • スタイリスト前髪切るときは喋らない

メーカー、ディーラー、営業マンの来店について

  • 基本的に入店をご遠慮いただく(アポイントがない場合には、本部に確認していただく旨を伝える)

勤務外のスタッフが注意すること

  • 不要不急の外出をしない
  • 3密の場所を避ける(密閉・密集・密接)
  • 各店間の交流禁止(ミーティング、講習会等を実施しない。必要に応じてZoom等にて会議などをおこなうこと)
  • 外出時のマスク徹底

最後に……

いつまでこんな営業が続くのか、誰にもわかりません。今週はこうやって営業していますが、来週には全店舗営業自粛しているかもしれません。前編でも述べましたが、続行自粛か、その意志決定する分かれ道は、「感染と風評のリスク」「リスクを抑えるコスト」とのバランスということになるでしょう。

働くスタッフは、日々不安と闘っています。少なくとも、営業自粛に踏み切るタイミングのガイドラインの設定と、その準備はしておいて損はありません。うちの会社では、地元の小学校が休校になれば即日全店営業自粛に踏み切る予定でいます。その時に、いち早く対応できる準備を整えているところです。子供たちも不安の中頑張っている。それまでは我々大人もできることを頑張ろうとしています。

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