【お金の知識】あなたはどれくらい知っている? 『助成金』と『補助金』

教育/採用/助成金コンサルタントの遠藤です。

新型コロナウイルス発生から、緊急事態宣言~緊急事態宣言解除、そして「新しい生活様式」へとこの数ヶ月めまぐるしく環境が動いてきました。少し間が空いてしまいましたが、この数ヶ月、コロナ禍における「雇用調整助成金」やそれに関わる労務関係についてお伝えしてきました。

「雇用調整助成金」については、この数ヶ月クライアントの皆さんの助成金申請にとどまらず、休業時のシフトや休業中の社員教育などのお手伝いしてきました。現在は「雇用調整助成金」も申請の簡素化・助成金額引き上げ・時短休業の適応など様々なフェーズを経て、企業側も休業・再開のタイミングによって様々フェーズに来ています。

  • 5月までの休業を終了し、雇用調整助成金の申請を終了し、支給待ち
  • 支給申請を終了し、すでに助成金を受給された
  • 6月までの時短営業や間引きシフトを終了し、これから支給申請を行う

企業により状況は様々ですが、『助成金』『給付金』『税金の減免』『社会制度の利用』など今まであまり気にとめていなかった制度に着目された期間であったかと思います。

今回からはまとめとして、この『助成金』という制度についてお話ししたいと思います。

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『助成金』と『補助金』

【助成金を知ろう】あなたはどれくらい知っている? 『助成金』と『補助金』

最近ではニュースによって取り上げられる機会も増えて、『助成金』『補助金』について耳にすることも多くなってきているかと思いますので、ご存じの方も多いかと思いますがおさらいで。

一概には言えませんが、わかりやすく言われているのが、

助成金

雇用改善・人材育成などの目的のもので、申請書類や資料をしっかり準備すれば審査が通りやすい。厚生労働省の管轄。
例:「人材開発促進助成金」「雇用調整助成金」など

補助金

種類が多く、支給額も大きい。公募締切があって、審査合格率が低い。経済産業省・経済団体が行っていて、新規事業や新商品開発、設備投資などが対象。
例:「IT導入補助金」「ものづくり補助金」など

他にも都道府県などの自治体の制度などもありますので、すべてがそうとは言い切れませんが、認識としては間違っていないかと。特に「補助金はハードルが高い」とおっしゃる方が多いです。

この『助成金』について、広く美容業界で利用されてきた『人材開発支援助成金』を例にお話していきます。

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美容業界で広く利用されている『助成金』とは?

【助成金を知ろう】あなたはどれくらい知っている? 『助成金』と『補助金』

この新型コロナの状況で『雇用調整助成金』が非常に着目を浴び、『助成金』について調べられた方も多いと思います。あくまでも新型コロナがきっかけで新たに出来た制度ではなく、多くが以前より存在し、「特例」というかたちでコロナに合わせて制度変更したものがほとんどです。

特に美容業界で長年にわたって、利用されているの助成金というと『人材開発支援助成金』があります。
以前は「キャリア形成助成金」「キャリアアップ助成金」などの名前は耳にしたことはあるかと思います(両方とも現在は人材開発支援助成金に統一され、コースによって分類されています)。また実際に利用していた・今も利用しているという企業も多いかと思います。

私自身も長年、美容室の採用・教育のサポートを仕事としてまいりましたので、この『人材開発支援助成金』には10年近く関わってきています。

『人材開発支援助成金』は厚生労働省の所管で、大きな枠でいうと「雇用に関する取り組みを支援する」ための助成金という位置づけです。

例えばどんな取り組みかというと、、、

「労働者がスキルアップするために研修をおこなった」

「不安定な労働条件の従業員の環境を改善した(有期雇用⇒正規雇用)」

「労働環境を改善した(労働時間短縮・給与アップ)」

など取り組みによって、コースが分かれ助成金の金額や範囲も異なってきます。

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『助成金』は国の施策によって変化する

【助成金を知ろう】あなたはどれくらい知っている? 『助成金』と『補助金』

この『人材開発支援助成金』を例にとっていうと、制度は毎年改正され、改正内容も国の「労働者に対する施策」に連動していることが多いです。

今まででいうと、「働き方改革」「不安定な有期労働者を正社員(無期)へ」「若年労働者の早期退職防止」「派遣労働者の同一労働・同一賃金」「熟練労働者の再雇用」「中小企業の担い手育成」など、その時代の国の労働者対策によって助成金の目的も変化し、要件や金額も変化しています。

『人材開発支援助成金』でいえば、私の関わったこの10年でも、金額UP→コースの整理廃止・新規開設→生産性要件の導入など様々変化してきています。

美容業界は『集客』『採用』『教育』と言われるように、特に美容業界はスタッフへの教育は美容室を経営するうえでの重点項目であり、「新入社員教育」「jrスタイリストのカット講習」などの取り組みでこの助成金を利用している美容室がかなり増加してきています。

一方で、これは美容業界に限らずですが「実際訓練を計画通りにやっていない」「労働時間外に訓練している」など不正受給や書類の不備なども増えてきており、申請企業の増加も踏まえ、関係機関の審査も厳しくなってきています。

次回はその「助成金」を利用するうえでの注意点・ポイントについて美容業界における現状も交えてお話したいと思います。

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