ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業設計について【その7】顧客-2

こんにちはHRM（ヒューマンリソースマネジメント）の庄野です。

前回からテーマは5つの質問における第2の質問「われわれの顧客は誰か」になりました。

では、どのように顧客を決めるのか？　ということになりますが、これが非常に難しい問題です。これから起業される美容室なら非常にやりやすいのですがそうではなく、既に事業をおこなわれている美容室の方からすれば、難しい問題です。なぜならば「今来てくれている人が顧客」となってしまいます。

ですから本格的に着手するには個別でコンサルティングをさせていただかないといけないレベルだと思います。そのため、ここでは　「考え方」を知ってもらうためのライトな作業をお勧めしてみます。

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自分（たち）のお客様を知る

「今来てくれている人が顧客」それ自体が悪いわけではありません。しかし、意図的に集めているわけではなく、様々な要因や積み重ねた年月が絡み合って顧客層が出来上がっている以上は、分析・整理が確実に必要になります。ですから、まずは自分たちのお客様をしっかりと調べるということから始めることをここではお勧めします。

まず確認すべきは、自分たちの顧客カルテを見比べたときにどのような法則性があるのか？　です。

年齢層、性別、ファッション系統、ライフスタイルなど様々な角度から見ることで見えてくる法則性があるはずです。また、スタッフのキャリア別、店舗別などで集計していってもその傾向が見えるかもしれません。（ここでカルテを日頃からしっかり書いているか？　の習慣が大きく問われます。マネジメントの分野でまたお話しますが、カルテ情報はマーケティングにおいて非常に重要な情報源です）

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顧客がわかることで指針が見える

そうした調査の中で、比較的系統が似かよっている。自分たちにとっての「ボリュームゾーン」となっている人たちがどのような人たちなのか？　が見えてくると「現在の自分たちの顧客像」が見えてきます。要はその方々を喜ばせ、その方々に貢献してきたことが今の成果に結びついている可能性が高いということです。それがわかることで、教育や集客に「指針」が生まれ、自分たちが集中すべきことがわかってきます。

しかし、これにはいくつかの大きな課題が残ります。そこは　実際の講習やセミナーや個別コンサルでお伝えさせていただく部分ですので、ここでは割愛しますが、1つだけハッキリしていることは「使命」とマッチしているのか？　ということが課題になります。

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「顧客」と「使命」のマッチング

私の記事では何度も「一貫性」という言葉を使っていますが、第1の質問で問われた「われわれの使命」と今回の「われわれの顧客」はマッチしていなければなりません。私たちの顧客は、私たちの使命が果たせる相手なのか？　それを喜んでくれる相手なのか？　ということです。

• 例えば産地や成分にこだわった食材をお客様それぞれに合わせ、こだわって提供できる！そんな飲食店スタッフでありたい……使命
• ところが来ているお客様は、時間に制約のある男性のサラリーマンが多い……顧客

という場合、これは果たしたい使命と顧客がマッチングがしていません。第3の質問で出てきますが「顧客はそれを価値としているか」に大きな疑問が発生します。現在の自分たちのお客様のボリュームゾーンである方々と自分たちの使命がマッチしていないなら、「変化」をしなければなりません。

ここが今既に事業をおこなわれているサロンにとって、非常に難解な問題となります。いずれまたマネジメントのお話の際に説明しますが、この状況においてのやるべきことは本来は「棄てる」「廃棄する」という作業になります。

何かを始めるには、まず今ある何かを棄てるところからが原則です。ですが、これは非常に繊細に扱わなくてはいけない問題です。ですので、それはまだ先の話で良いと思います。まずは今の自分たちの顧客像を、何かしらのくくりで定義できるように、しっかりと顧客チェックをできる様にしてみましょう。