ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業設計について【その9】価値-1

こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。

少し時間があきましたが、ここまで1つ目の質問「使命」と2つ目の質問「顧客」、この2つのバランスを保つことが重要だという話をここまでしてきました。

prater

こんにちは、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。前々回からスターしました「事業の設計」について引き続きお…

prater

こんにちは、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。 前回までの3回で 5つの質問のうち1つ目の質問「われわ…

今日からは3つ目の質問「顧客は何を価値とするか」に進んでいきましょう。この3つ目の「価値」も「使命」「顧客」と同等のバランスを保たなくてはいけない重要な要素となります。

【サロンはどうする?】7月からのレジ袋有料化について

価値を決めるのは誰?

人によって価値観は違います。自分が必要だと思うものでも、人によっては全く必要のないものだったりもします。

私は喫煙者です。私にとってタバコは必要なものですが、世の中多くの人たちにとっては価値がないどころか、邪魔なものなのかもしれません。悪の結晶なのかもしれません(笑)

ここでタバコについての是非の話をしても仕方がありません。ご理解いただきたいのは、おそらくは非喫煙者の方から見れば金額的にも行為的にも価値を感じられないものにも、価値を感じる人がいるということです。もしもホテルに泊まることになったとして禁煙室が1泊7,000円、喫煙室が1泊9,000円だとします。それでもきっと私は喫煙室をお願いすると思います。

逆ならどうでしょうか? 禁煙室が9,000円で喫煙室が7,000円。きっと非喫煙者の方ならやっぱり禁煙室を選ばれるのではないでしょうか? つまり、人によってものの価値は違います。

様々なものの必要性や金額の高い・低いは、お客様の価値と連動するということです。そのサービスの価値を決めるのはお客様だということであり、私たちではないのです。

【リモートあるある】新型コロナで浮き彫りになった世代間ギャップ

価値の対価

お金

上記のお話で言えば、価値の対価はお金となります。ものの物価はその人の価値観によって変わります。日本でも有数のテーマパークには多くの「ファン」が存在します。そしてその方々の多くは「年間パス」というものを持たれています。数万円する年間パスもファンの方はそれでも欲しいものです。私はあまりその分野に興味がありませんので高いなぁと感じますが、それが人によっての価値観の違いです。

時間

テーマパークでもう1つ私が苦手なものは「待ち時間」です。1つのアトラクションに乗るのに2〜3時間の待ち時間が発生する。これは私には非常に苦痛です。しかし、ファンの方からすればその待ち時間を使ってでも乗りたいものなのです。つまり、価値の対価とはお金だけでなく「時間」も存在するということです。

希少性

もう1つあります。「希少性」です。様々な商品にプレミアというものがつく時代で服やアクセサリー、ゲーム機や車などの商品はもとより、最近で言えばマスクやアルコール消毒剤なども金額が定価の何倍にも膨れ上がりました。「それでも買う」人がいるから起きる現象です。そしてその人たちは目当ての商品が見つかるまで、歩き回り、ネットを調べたりと「時間」を費やしていきます。

「希少性」「お金」「時間」これらはその人にとっての「価値」の対価です。

【お金の知識】あなたはどれくらい知っている? 『助成金』と『補助金』

価値は個人だけで作れない

美容室の運営で確実に中心にあるのは「売り上げ」「利益」です。そのためには、まずは「集客」が安定していることが第1条件です。

「集客」……新規のお客様と既存のお客様のリピートになりますが、要はどうしてもそのお店に、そのスタイリストに担当して欲しいと思ってもらえるか、それだけの「希少性」「支払う金額」「費やす時間」がお店や、スタッフにあるのか? ということです。

自力集客など社員に対して求めることは多くなっています。それはこれからの美容師さんには必要なスキルなのだとは思います。しかし、それと同時に会社・お店はお客様から是非行ってみたい、また来たいと思われる環境を作り続けているでしょうか? 個人の資質だけに委ねるのではなく、同等に組織としての成果、つまりは私たちの責任としてもお客様が価値を感じる内装・外装を含めた世界観を作り、ふさわしい人材育成に取り組み、サロンワークや撮影などの「方針」を示しているのでしょうか?

自力で集客ができてもリピートしてもらえなければいけません。集客数とリピート率を相対的に見なければ「誰が優秀」なのかもわかりません。価値は、組織と個人双方で作り込んでいくものです。自分たちのお客様にとって、自分たちのお店に感じてくれている価値はなにか? その価値を作り込んでいくことに社員は使命感を感じているのか?

是非一度自社の構造がそのように体系的になっているのか?

見直してみて下さい。

prater

こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。 前回からテーマは5つの質問における第2の質問「われわれの…

prater

こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。 さて、事業設計における第2の質問「顧客」についてですが、…

PRATER更新情報、その他お知らせをいち早く!
編集部へのお問い合わせもこちらから。

広告
最新情報をチェックしよう!