こんにちは、Y’s hair GROUP(ワイズヘアーグループ)を運営するZIMA ENTERPRISE 代表取締役 CEOの和田島です。
目がいくつあるかって? そりゃ、2つですよね。足の裏にできたウオノメを入れれば3つかもしれませんが、そういう話ではなくて(笑) 今回は、鳥の目・虫の目・魚の目、リーダーたる者3つの目を持ちましょうというお話です。
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それは何を見ているのか
私がこの言葉を聞いたのは10数年前。尊敬する業界の大先輩から教えていただきました。当時はまだ3店舗で、社員数は20人程度。全然儲からない会社でしたが、このモノの見方、考え方をこのように複眼的視点(ふくがんてきしてん)で捉えることを大切にしてきて、少しは成長できたのではと思っています。私にとっては大切な教えでした。
では、1つひとつみていきましょう。
鳥の目
鳥の目は何を見ているのでしょうか。空高くから全体感を見ています。その視野は広く、俯瞰的(ふかんてき)に物事を見ているでしょう。
虫の目
虫の目は近視眼的(きんしがんてき)で繊細です。目の前のことを細やかに見ることが出来るでしょう。
魚の目
魚の目はどうでしょう。普通考えが及ばないような深い見地で洞察力に富み思慮深いと言えるでしょう。水底から見上げているような目線ですね。
きけばコウモリの目っていうのもあるらしいです(笑) 物事を逆さまに見る、暗闇でも判断できる、まったく新しい見方をしてみるとか、暗中模索の中から光明を見出す目……そんなイメージでしょうか。
実際の現場に置き換えると
この3つの目、どれが良いという話ではありません。物事の見方・感じ方をこの3つの目で同時に見なさいと教えていただきました。ここで実際の例で考察してみましょう。
美容サロンにおいてリーダーは全体感でお店を眺めつつ、その雰囲気、風土、空気を客観的視点で把握していなければなりません。それは鳥の目を使います。
たとえば、目の前のお客さまとはにこやかに談笑するが、隣のお客様は待たされてシラケているとか。それは鳥のように、上空からその様相をとらえていなければ気づいて差し上げることができませんよね。
虫の目を使うときは、その目を凝らしてサロンやお客様、スタッフに対しての細やかなところまで目を行き届かせるときですね。たとえば、時にはセット椅子やシャンプー椅子に座ってみる。お客様と同じ目線になったときに初めて気づくことがあるかもしれません。
あるいは、スタッフがお客様にかけた一言、その伝え方のニュアンスに反応する。あのときの言い方はこう言ったほうがもっとお客様はご納得されるはずだよ、とか。
はたまたこんなこともあるかもしれません。お客様がせわしなく雑誌をめくっておられる……暇を持て余していらっしゃる証拠ですね。そんな時にかける一言とは。お客様の顔にカットした毛が1本ついているとか、そんな微細なことを見極める目……それが虫の目です。
そして魚の目では、物事を奥深くまで掘り下げて洞察します。このような問題がなぜ起こるのだろう、その真因は何なのか、いい方向に行っているのか、そうではないのか。どんな結果が待っているのかを見通すことができる目ですね。時には人の感情に配慮して、なぜあのような言い方をしたのか、などとしっかりとその真意を受け取れる。そんな心理的な要素を踏まえているのも魚の目ですね。
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その目がチームを育む
それができるリーダーであったなら、かなりまとまった良いチームを作ることができるでしょう。全体感を把握した上で、細やかな心配り、目配りができていて、深いところで流れを創っていて、見えないものを見ようとしている、そんなチームでしょう。
逆にどれかが1つできなかったとしたらどうでしょう。どこかで誰かがずっと我慢しているのかもしれません。そして、無頓着で無関心。興味のあることには集中するが、それ以外はやりっぱなし。そのしわ寄せは最終的にお客様に寄っていくことになるかもしれません。
そうであるなら、やがてお客様は去り、従業員は辞めていき、儲からない経営となるのは必至でしょう。そう考えると恐ろしいことですね。
世の中は感じ方が作る
私も経営者としてこの3つの目を持ちたいと日々思っているのですが……。これがなかなか難しいです。良かれと思った経営判断も果たして本当にこれで良かったのか、疑問が残ることばかりです。どんな優秀な経営者だって迷うことはあるでしょうけれど、私のような凡人にはなおさらのことです。
常に正しかったのか間違いだったのか、答え合わせの連続です。そしてその答えは何が正解なのかさえわからないままのことも多くあります。そんなときは、自分の信念が問われるときですね。
しかしながら、こうして複眼的に見ようと努力をしていない人には一生かけても見れないもの、気づかないことがたくさんあるのかもしれません。どんなことからも学ぶ、どんな人からも学ぶといった姿勢がこの訓練になると思っています。
自分が見ているこの世の中は自分の見方・感じ方が作っていると思うのです。それを変えようとするのであれば、自分の見方・感じ方を変えるしかありません。まてよ!? と、意識的に自分の見方を変えてみて、深く考えながら物事の価値判断をしなければなりませんね。
人は人によって磨かれる
私は、現在自分の会社以外にいろんな組織に所属しています。数を数えれば4つ5つといったところでしょうか。何やら重々しい役職名がついているところもあります。そのような異業種交流や同業組合、ボランタリー組織(任意団体)のような団体や組織に身を置くことも自己研鑽に通じることだと思います。自分と違う価値観・目線の人たちのそばにいて、その人たちから学び続けること……それは成長の近道であり大切なことだと感じています。
【ダイヤモンドはダイヤモンドで磨く。人は人によって磨かれる】という言葉があります。世界一固い鉱物であるダイヤモンドは、ダイヤモンドの粉末を研磨剤に用いて研磨をおこなうそうです。それより硬いものがないのですから、ダイヤモンド同士で磨くのですね。感情の生き物である人は、人に代わるものがありません。人間関係を作っているのは見方・感じ方です。葛藤を避けず、困難・問題・障害に立ち向かい、人心の妙味に思いをはせる。そうすることで人は人によって磨かれ、その輝きを放つのですね。その経験から複眼的に物事を捉える目が養われるのかもしれません。
多謝