ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その10」価値-2

こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。

今回は、事業設計における第3の質問「価値」の2回目になります。前回は大きく分けて3つのお話でした。

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こんにちはHRM(ヒューマンリソースマネジメント)の庄野です。 少し時間があきましたが、ここまで1つ目の質問「使命」と2…

  • 価値を決めるのはお客様
  • 価値の対価は「お金」「時間」そして「希少性」
  • 価値は組織と個人双方で創り上げるもの

今日はなぜこの「価値」が3つ目の質問なのか? について少し深掘りしてみます。

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いくらお金を持っていたって……

ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その10」価値-2

前回「価値を決めるのはお客様」とお伝えしました。そして価値は人によって違うというお話もしました。過去に私はグアムでプロ野球選手を目撃したことがあります。当時、国民的なスターであり、多くの人に知られていた人です。当時年棒は3億はもらっていたと思います。その選手が奥様と免税店で買い物をしているところに遭遇しました。

さぞ凄い買い方(そこからそこまで全部! みたいな)をするのではと眺めていましたが、超有名ブランドのバッグを手にとったその方からでた一言は「高いねぇ。。。」でした(笑) ため息まじりに表情もかなり「苦笑」という感じでしたね。そのバッグは日本円で18万くらいだったと思います。3億稼いでいる人でも、興味のないブランドもののバッグに18万は「高い」と感じるわけです。 

まぁそもそも、そのブランドはもちろん女性向けであり、30〜50代あたりの大人の女性がメイン層のブランドですから、男性から見たらそう思うのも無理はありません。

これが顧客と顧客の価値の関係性です。

そのブランドは「誰を顧客とするか」が決まっているので、その顧客の人たちが最も「価値」を感じるデザインにしているわけです。ですから、その「顧客の定義」に当てはまらない男性のスポーツ選手にとっては価値のないもので構わないわけです。むしろそうした男性にも受けるようなデザインのものをショーケースに並べて幅をもたせてしまうと、元々の顧客が離れてしまうかもしれません。

手に職があるだけでは食べていけない時代

体系立てるとは

ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その10」価値-2

まずは「顧客を決める」ことをしないと自分たちの「提供する価値」が決まらないわけです。ですから2つ目の質問が「顧客は誰か?」であり、それが決まって初めて3つ目の質問の「顧客が価値としているものは何か?」に答えが出るわけです。これが体系立てて考えるということです。

顧客が決まっていないのに、自分たちのサービス内容は決められないということです。今の時代、他の美容室でうまく行ったメニューやキャンペーンが自分たちにも当てはまることは少ないです。そのお店と自分たちのお店はきっと「顧客」が違えば「価値」も違うからです。以前にもお伝えしましたが、そうした他社のノウハウを手に入れたところで成功と失敗は時の運です。

そして何よりこの記事を読まれている方が幹部クラスの方や経営者の方であれば、そうした模倣は本来マネジメントを行うべき自分自身のスキルアップに結びつきません。短期的な成果は出るかもしれません。しかしそれは「うまくいった人のやり方」を聞いて行動(模倣)しただけで「自分たちの顧客に置き換えて体系的に考えた」わけではないのですから。

私は講習の依頼を受けた際に、まずはその会社の「顧客」をしっかりと教えていただき、その方たちの求める「価値」が何か? が見えた上で「講習資料」を作るようにしています。私の会社の強みは「パーマ」と「店販」と「カウンセリング」ですが、そのまま他社にご提供しても、まず結果は出ないと思います。「顧客」が違い「顧客の価値」が違うからです。

例えば、パーマセミナーをしたことは数社ありますが、ほとんど結果は出ませんでした。目的が客単価UPという部分的な発想だったからです。

① スタイリストの伸び悩み

② カラーはある程度シェアを取れているので苦手意識の高いパーマを克服させれたら

③ 自分達の武器を作りたい

成果が出ない組織は、顧客や顧客の価値を置き去りにして内側に目的を置いてしまっている会社がほとんどです。成果は外(顧客)にあるにもかかわらず内(社内)に目線がいってしまっています。ですから、それが自分たちの顧客にとって価値のあることなのか? 自分たちの社員にとってやりがい、使命感を持って取り組めることなのか? という体系立った考えから導かれたものではないので成功はほぼしません。

さらに付け加えるなら、パーマ率の変動が給与査定に影響するように機能的に組み込まれていなければ社員は本気で取り組みません。(これは4つ目の質問「成果」の部分でまた詳しく説明します)

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当てはめてみよう

ヒューマンリソースマネジメントのプロが語る美容室の事業の設計について「その10」価値-2

実際に行動に移してみましょう。ここで役に立つのが事業設計 顧客-2でやってみて下さいとお伝えした、自分たちのお客様の「ボリュームゾーン」です。年齢や性別、ライフスタイルやファッションゾーンなど何かしらの法則や雰囲気などで「絞ってみる」ことをお勧めしました。

要は、そのボリュームゾーンの方々が何を価値にしているのか? を考えること、知ることが大事なのです。技術に対して、接客に対して、お店の世界観についてetc……その方たちにとって「価値」と感じることを私たちは提供するべきなのです。

その際に必要なのは「直接聞く」ということです。お客様の価値を勝手に想像してはいけません、決め付けるべきではありません。1番重要なのは顧客に聞くということです。自分のボリュームゾーンが見えたら、そこに当てはまるお客様に是非「直接聞く」ことを続けてみて下さい。

美容室(師)に何を求めているのか? 技術や接客はどのように対応されることを望んでいるのか? 聞けることはたくさんあるはずです。それは、サロンワーク中、世間話で盛り上がるよりも数倍自分達にとってもお客様にとってもそれは価値のある時間になると思います。

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